36: ◆ikbHUwR.fw[saga]
2019/01/03(木) 19:32:04.22 ID:p8Id/7Jt0
その日の空は晴れ渡っていた。
以前のような、赤い砂塵に曇った空ではなく、透き通るような一面の青空だ。
私は大きな木に背中を預けて座り込んでいた。
意識が途切れる頻度は日を追うごとに高くなり、目覚めるまでの時間も長くなっていった。
今となっては、意識を保っている時間のほうが遥かに少ない。
生い茂る緑の葉っぱの隙間から、陽光が降り注いでいた。
あたたかいな、と思った。
どこからか小鳥が飛んできて、私の頭や肩にとまった。
体が動かない。耳も、聞こえてはいないようだ。
きっと、私はここまでなんだろう。
だけど、もう私がいなくなってもだいじょうぶ。
だってここは、地上はもうこんなに――
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