11: ◆ikbHUwR.fw[saga]
2019/01/03(木) 19:11:56.76 ID:p8Id/7Jt0
楓「もちろん杏ちゃんのおかげでもありますから、お礼にトラック1台分の現ナマを進呈します」
杏「そういうのやめてってば」
楓「お金はおっかねー、ですからね♪」
12: ◆ikbHUwR.fw[saga]
2019/01/03(木) 19:12:28.93 ID:p8Id/7Jt0
〜鷺沢文香編〜
13: ◆ikbHUwR.fw[saga]
2019/01/03(木) 19:13:16.94 ID:p8Id/7Jt0
――事務所内の一室
『ガチャ』
14: ◆ikbHUwR.fw[saga]
2019/01/03(木) 19:14:21.41 ID:p8Id/7Jt0
『ガチャ』
杏「あー、疲れた」トコトコ
文香「…………」ペラッ
15: ◆ikbHUwR.fw[saga]
2019/01/03(木) 19:15:29.70 ID:p8Id/7Jt0
杏「……『ガラッ』?」
杏「…………」ガチャ
杏「…………」バタン
16: ◆ikbHUwR.fw[saga]
2019/01/03(木) 19:16:25.76 ID:p8Id/7Jt0
杏「あのさ、なんでそれを杏に相談しようと思ったの?」
文香「『困ったことがあれば杏さんに言えばなんとかしてくれる』、と」
杏「やめてよ! 誰だそれ言ったの!」
17: ◆ikbHUwR.fw[saga]
2019/01/03(木) 19:17:08.61 ID:p8Id/7Jt0
文香「け、検索」プルプル……ポチッ
杏(やっぱり使い慣れてないかー)
文香「…………」プルプル……ポチ
18: ◆ikbHUwR.fw[saga]
2019/01/03(木) 19:17:38.57 ID:p8Id/7Jt0
文香「しかし……在庫はあるようですが、これは」
杏「どうかした?」
文香「……19800円、ですか」
19: ◆ikbHUwR.fw[saga]
2019/01/03(木) 19:18:23.10 ID:p8Id/7Jt0
杏(ヤフオクには……ないか。メルカリにもなし。あとは、アマゾンが中古扱ってたかな?)
杏(あ、出品されてる――けど、2万円超えてら。うーん……ん?)
杏「……Kindle版あるじゃん」
20: ◆ikbHUwR.fw[saga]
2019/01/03(木) 19:18:55.38 ID:p8Id/7Jt0
文香「……頭が固いと、古臭いと言われるかもしれません。ですが私は、どうしても電子データというものに信頼が置けないのです。もちろんそれが紙の本に印刷されたものであれ、液晶画面に表示されたものであれ、たしかに文字として、情報としての価値は変わらないでしょう。しかし紙は少なくとも触れることができます。自ら手放さないかぎりは、いつまででも所有しておくことができます。しかし、データはどうでしょう? 形なきものは、いったい、いつまで存在し続けてくれるのでしょうか? ずっとずっと、それが永遠にあるものと信じて疑わず、何年にも渡って生活を切り詰めて、自由にできるお金の大半を費やし続けた果てに、突然のサービス終了と――」
杏「まって! 黙って!! 黙れ!!!」
123Res/67.77 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
書[5]
板[3] 1-[1] l20