1: ◆ikbHUwR.fw[saga]
2019/01/03(木) 18:59:42.14 ID:p8Id/7Jt0
モバマスSSです。
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2: ◆ikbHUwR.fw[saga]
2019/01/03(木) 19:03:32.88 ID:p8Id/7Jt0
〜高垣楓編〜
3: ◆ikbHUwR.fw[saga]
2019/01/03(木) 19:04:17.83 ID:p8Id/7Jt0
――事務所内の一室
楓(……少し、時間が空いちゃいましたね)
4: ◆ikbHUwR.fw[saga]
2019/01/03(木) 19:05:18.80 ID:p8Id/7Jt0
*
――通路
5: ◆ikbHUwR.fw[saga]
2019/01/03(木) 19:06:18.92 ID:p8Id/7Jt0
楓「くだらないとはなんです、私からダジャレを取ったらなにが残るんですか!」
杏「いや、大部分残るでしょ。むしろ楓さんはヘタに喋らない方がいいと思うよ」
楓「私は――人形じゃない……!」
6: ◆ikbHUwR.fw[saga]
2019/01/03(木) 19:07:41.19 ID:p8Id/7Jt0
ちひろ「――あら、楓さんに杏ちゃん」
楓「!」ビクッ
杏「あ、ちひろさん」
7: ◆ikbHUwR.fw[saga]
2019/01/03(木) 19:08:36.57 ID:p8Id/7Jt0
楓「すみません、これ杏ちゃんがやったことにしてください」ヒソヒソ
杏「ええ? なんでさ、やだよ……」
楓「私、最近色々とやらかしてて、次やったら禁酒させられるんです」ヒソヒソ
8: ◆ikbHUwR.fw[saga]
2019/01/03(木) 19:09:36.76 ID:p8Id/7Jt0
ちひろ「なにをコソコソと――」
杏「あー、えっと……」
楓「お願いします」ボソッ
9: ◆ikbHUwR.fw[saga]
2019/01/03(木) 19:10:33.67 ID:p8Id/7Jt0
楓「ご慈悲を!」
ちひろ「いーえ、今度という今度は――」
杏「……そいえば楓さん、手は平気なの?」
10: ◆ikbHUwR.fw[saga]
2019/01/03(木) 19:11:15.13 ID:p8Id/7Jt0
*
――翌日
11: ◆ikbHUwR.fw[saga]
2019/01/03(木) 19:11:56.76 ID:p8Id/7Jt0
楓「もちろん杏ちゃんのおかげでもありますから、お礼にトラック1台分の現ナマを進呈します」
杏「そういうのやめてってば」
楓「お金はおっかねー、ですからね♪」
12: ◆ikbHUwR.fw[saga]
2019/01/03(木) 19:12:28.93 ID:p8Id/7Jt0
〜鷺沢文香編〜
13: ◆ikbHUwR.fw[saga]
2019/01/03(木) 19:13:16.94 ID:p8Id/7Jt0
――事務所内の一室
『ガチャ』
14: ◆ikbHUwR.fw[saga]
2019/01/03(木) 19:14:21.41 ID:p8Id/7Jt0
『ガチャ』
杏「あー、疲れた」トコトコ
文香「…………」ペラッ
15: ◆ikbHUwR.fw[saga]
2019/01/03(木) 19:15:29.70 ID:p8Id/7Jt0
杏「……『ガラッ』?」
杏「…………」ガチャ
杏「…………」バタン
16: ◆ikbHUwR.fw[saga]
2019/01/03(木) 19:16:25.76 ID:p8Id/7Jt0
杏「あのさ、なんでそれを杏に相談しようと思ったの?」
文香「『困ったことがあれば杏さんに言えばなんとかしてくれる』、と」
杏「やめてよ! 誰だそれ言ったの!」
17: ◆ikbHUwR.fw[saga]
2019/01/03(木) 19:17:08.61 ID:p8Id/7Jt0
文香「け、検索」プルプル……ポチッ
杏(やっぱり使い慣れてないかー)
文香「…………」プルプル……ポチ
18: ◆ikbHUwR.fw[saga]
2019/01/03(木) 19:17:38.57 ID:p8Id/7Jt0
文香「しかし……在庫はあるようですが、これは」
杏「どうかした?」
文香「……19800円、ですか」
19: ◆ikbHUwR.fw[saga]
2019/01/03(木) 19:18:23.10 ID:p8Id/7Jt0
杏(ヤフオクには……ないか。メルカリにもなし。あとは、アマゾンが中古扱ってたかな?)
杏(あ、出品されてる――けど、2万円超えてら。うーん……ん?)
杏「……Kindle版あるじゃん」
20: ◆ikbHUwR.fw[saga]
2019/01/03(木) 19:18:55.38 ID:p8Id/7Jt0
文香「……頭が固いと、古臭いと言われるかもしれません。ですが私は、どうしても電子データというものに信頼が置けないのです。もちろんそれが紙の本に印刷されたものであれ、液晶画面に表示されたものであれ、たしかに文字として、情報としての価値は変わらないでしょう。しかし紙は少なくとも触れることができます。自ら手放さないかぎりは、いつまででも所有しておくことができます。しかし、データはどうでしょう? 形なきものは、いったい、いつまで存在し続けてくれるのでしょうか? ずっとずっと、それが永遠にあるものと信じて疑わず、何年にも渡って生活を切り詰めて、自由にできるお金の大半を費やし続けた果てに、突然のサービス終了と――」
杏「まって! 黙って!! 黙れ!!!」
21: ◆ikbHUwR.fw[saga]
2019/01/03(木) 19:19:31.92 ID:p8Id/7Jt0
文香「はっ! す、すみません……」
杏「途中から違う話だったよね! その手の話題はデリケートなんだから気を付けて!」
文香「……つまり私は、紙の本が好きなのです」
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