232: ◆eZLHgmSox6/X[saga]
2019/03/09(土) 01:33:29.74 ID:J91t5PLpO
もちろん鎮守府の雰囲気に流されずに中立や擁護すら見せる艦娘達も数人はいる。そして彼女らがその立場を理由に飛び火して嫌われるという事態は一切起きていない。
しかし彼女達はほとんどが古参の面々で、戦力的にも精神的にも鎮守府に大きく貢献している者達であることも同時に忘れてはならない。
つまりそれだけの存在だからこそ周囲の行き過ぎた山城嫌いを抑制できるのであって、これを他の者が安易に真似る事は得策ではない。
233: ◆eZLHgmSox6/X[saga]
2019/03/09(土) 01:35:25.65 ID:J91t5PLpO
青葉「...覚悟は決めてあります」
響の言葉で空気が重く沈んだが、やがて青葉が口を開いた。
青葉「もちろん私は時雨さんとは仲が良いです」
234: ◆eZLHgmSox6/X[saga]
2019/03/09(土) 01:36:41.42 ID:J91t5PLpO
暁「そう思うきっかけがあったのかしら?」
暁がそう尋ねると、青葉は意を決したように言葉を続けた。
青葉「ええ、数日前に古鷹さんがふと零した言葉が忘れられなくて...」
235: ◆eZLHgmSox6/X[saga]
2019/03/09(土) 01:38:25.74 ID:J91t5PLpO
青葉「それは、喧嘩を仲裁する時みたいな普段の山城さん擁護とはちょっと違いました」
青葉「わざわざ古鷹さん自身を比較対象に出すくらい、本心から絞り出た古鷹さんの思いだった気がするんです」
青葉は困ったような顔をしている。
236: ◆eZLHgmSox6/X[saga]
2019/03/09(土) 01:40:25.59 ID:J91t5PLpO
青葉が次の言葉を口にしようとする時、またもや響が食い気味で被せてきた。
響「詳しいことを教えてくれなかったんだね?」
しかし今度の意図は話を回避するためではなく、むしろその真逆である。
237: ◆eZLHgmSox6/X[saga]
2019/03/09(土) 01:43:33.13 ID:J91t5PLpO
響「うん。実をいえば私達もちょうど青葉さんと同じだからね」
雷「古鷹さんみたいな妹がいるもの」
青葉「やはり...!」
238: ◆eZLHgmSox6/X[saga]
2019/03/09(土) 01:44:50.42 ID:J91t5PLpO
響「なるほど、それで私達が3人になった時にインタビューしに来たんだね」
青葉「そういうことです」
暁型の3人も、青葉と同じ発想を古鷹に対して適用しなかったわけではなかった。
239: ◆eZLHgmSox6/X[saga]
2019/03/09(土) 01:47:33.68 ID:J91t5PLpO
それほどまでに深い情で結ばれているのならば、自分達と同じように何か古鷹から打ち明けられたり相談されていそうなものだ、というのがこの3人の思考であった。
しかし電が自分達に一部を打ち明けてくれた一方で、依然として山城を嫌い続けていた青葉の様子を考えれば、古鷹は電と同様ではないと思えてしまったのだ。
それこそが、暁型が逆に青葉に尋ねることをしなかった理由であったのだ。
240: ◆eZLHgmSox6/X[saga]
2019/03/09(土) 01:48:49.43 ID:J91t5PLpO
響「実はさっき暁と雷が話していたことが私達が持ってる唯一のヒントみたいなんだ」
青葉「2人のうちの1人...でしたか?」
雷「そうなの。以前電が教えてくれたのよ、事情を知ってるのは電を除いて3人らしいの」
241: ◆eZLHgmSox6/X[saga]
2019/03/09(土) 01:49:46.83 ID:J91t5PLpO
青葉「それなら1人は昨日私も知ったんですよ」
その言葉にちょっとした緊張が走る。
青葉が知ったという人次第では、この鎮守府で山城についての何かしらの事情を知っている人を全員把握したことになるからだ。
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