108: ◆eZLHgmSox6/X[saga]
2019/01/22(火) 01:36:47.70 ID:FHIWeP8+O
先日の事件以来、そんなことを口にするものは居なかった。一部の“優しすぎる”と呼ばれる艦娘は、何か事情があるんだと言って擁護しようとはしていた。しかしその努力は無駄でしかなかった。
とはいえ、もちろん山城の言動に憤りを感じながらも、多くの人は最初は「どうして?」の気持ちを抑えきれずに彼女に問い詰めた。
疑問に思っていたという点は那珂と同じなのである。
109: ◆eZLHgmSox6/X[saga]
2019/01/22(火) 01:37:59.45 ID:FHIWeP8+O
しかしそこに含まれる感情はあまりに違いすぎた。
信頼を踏みにじられた哀しみ、姉妹艦や仲の良い同僚を傷つけられた事への怒り、そんな考えを持つ山城自体への恐怖・・・
2人は少し黙りこんでしまった。しばらくして最初に沈黙を破ったのは川内だった。
110: ◆eZLHgmSox6/X[saga]
2019/01/22(火) 01:38:43.84 ID:FHIWeP8+O
川内「なんとなく那珂の言いたいことは分かったよ」
川内「みんな事件のショックに振り回されて感情的になりすぎてないか、ってことだよね」
111: ◆eZLHgmSox6/X[saga]
2019/01/22(火) 01:41:27.09 ID:FHIWeP8+O
川内「でもさ、那珂」
川内「山城さんはそれだけのことをしたんだよ?」
112: ◆eZLHgmSox6/X[saga]
2019/01/22(火) 01:43:56.44 ID:FHIWeP8+O
神通「それに私達だって、何度も彼女に聞いたんですよ。どうしてあんなことを言ったのか、って」
神通「返ってくる言葉は毎度「あの時言ったことが全てよ」なんです」
113: ◆eZLHgmSox6/X[saga]
2019/01/22(火) 01:46:10.00 ID:FHIWeP8+O
那珂「でも...!」
反論しようとしたが、すぐに川内にバトンが渡る。
川内「時雨はさ、初期の訓練から面倒見てるけど、本当に繊細な子なんだよ」
114: ◆eZLHgmSox6/X[saga]
2019/01/22(火) 01:53:13.01 ID:FHIWeP8+O
神通「そういったところが日常生活をに反映されてるのか、時雨さんは極端に遠慮がちですよね」
川内「うん、私が話しかけてもどこか申し訳なさそうにするしね」
神通「それくらいデリケートな彼女を、トラウマを抉ってまで傷つけたんです」
115: ◆eZLHgmSox6/X[saga]
2019/01/22(火) 01:58:33.43 ID:FHIWeP8+O
神通「まぁ、でも私はあの人は艦娘としてのスキルはかなり高いと思ってますよ。しょっちゅう被弾しますけど」
神通「なので任務の際は私情を持ち込まないで、彼女とも上手く協力するべきだとは思います」
川内「たしかにあの人は旗艦とか上手かったよね。冷酷だからか落ち着いてるし、艦隊メンバーの状況把握とか戦術理解はかなりのもんだよね。不運すぎるけど」
116: ◆eZLHgmSox6/X[saga]
2019/01/22(火) 01:59:53.59 ID:FHIWeP8+O
いつの間にか那珂が沈黙する側になっていた。だが那珂の理想はまだ完全に否定されたわけではなかった。
山城となんてまだ直接会話したことなんてない。それでも山城は、いや山城だけじゃなく艦娘は皆、きっと自分と同じはずだ。
だからまだ言うことは残っている。
117: ◆eZLHgmSox6/X[saga]
2019/01/22(火) 02:00:56.52 ID:FHIWeP8+O
今回はここまでです
ほんと更新が遅くなって申し訳ないです
多分次回もまたこれくらい空くかもしれないですがご了承ください
118:名無しNIPPER[sage]
2019/01/22(火) 07:00:08.07 ID:TzqLlarRo
おつお
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