104: ◆eZLHgmSox6/X[saga]
2019/01/22(火) 01:31:33.93 ID:FHIWeP8+O
神通「でも夕立さんから聞いたのならそれ以上に何を知りたいのですか?」
神通「彼女は山城さんが暴言を吐いた現場に居合わせていたわけですし、逆にその場に居なかった私の出る幕は無さそうですが...」
105: ◆eZLHgmSox6/X[saga]
2019/01/22(火) 01:32:33.31 ID:FHIWeP8+O
神通「姉さんはあの時もろに目撃してましたね」
那珂「川内ちゃんもその場に居たんだね」
川内「まーね」
106: ◆eZLHgmSox6/X[saga]
2019/01/22(火) 01:33:53.25 ID:FHIWeP8+O
彼女はマンガを閉じて起き上がった。どうやら真剣に話を聞くに値する、と感じてくれたようだ。
那珂「そうなの。私思うんだけど、本当に山城さんはそんな酷い人なのかな、って...」
107: ◆eZLHgmSox6/X[saga]
2019/01/22(火) 01:35:11.96 ID:FHIWeP8+O
少し間を置いて、那珂は深呼吸をする。今から口にすることは、きっとこの鎮守府では決して歓迎されないことだろう。だからこそ、この2人には言うのだ。
那珂「ねぇ、山城さんは本当に仲間を邪魔だって思ってるのかな」
108: ◆eZLHgmSox6/X[saga]
2019/01/22(火) 01:36:47.70 ID:FHIWeP8+O
先日の事件以来、そんなことを口にするものは居なかった。一部の“優しすぎる”と呼ばれる艦娘は、何か事情があるんだと言って擁護しようとはしていた。しかしその努力は無駄でしかなかった。
とはいえ、もちろん山城の言動に憤りを感じながらも、多くの人は最初は「どうして?」の気持ちを抑えきれずに彼女に問い詰めた。
疑問に思っていたという点は那珂と同じなのである。
109: ◆eZLHgmSox6/X[saga]
2019/01/22(火) 01:37:59.45 ID:FHIWeP8+O
しかしそこに含まれる感情はあまりに違いすぎた。
信頼を踏みにじられた哀しみ、姉妹艦や仲の良い同僚を傷つけられた事への怒り、そんな考えを持つ山城自体への恐怖・・・
2人は少し黙りこんでしまった。しばらくして最初に沈黙を破ったのは川内だった。
110: ◆eZLHgmSox6/X[saga]
2019/01/22(火) 01:38:43.84 ID:FHIWeP8+O
川内「なんとなく那珂の言いたいことは分かったよ」
川内「みんな事件のショックに振り回されて感情的になりすぎてないか、ってことだよね」
111: ◆eZLHgmSox6/X[saga]
2019/01/22(火) 01:41:27.09 ID:FHIWeP8+O
川内「でもさ、那珂」
川内「山城さんはそれだけのことをしたんだよ?」
112: ◆eZLHgmSox6/X[saga]
2019/01/22(火) 01:43:56.44 ID:FHIWeP8+O
神通「それに私達だって、何度も彼女に聞いたんですよ。どうしてあんなことを言ったのか、って」
神通「返ってくる言葉は毎度「あの時言ったことが全てよ」なんです」
113: ◆eZLHgmSox6/X[saga]
2019/01/22(火) 01:46:10.00 ID:FHIWeP8+O
那珂「でも...!」
反論しようとしたが、すぐに川内にバトンが渡る。
川内「時雨はさ、初期の訓練から面倒見てるけど、本当に繊細な子なんだよ」
114: ◆eZLHgmSox6/X[saga]
2019/01/22(火) 01:53:13.01 ID:FHIWeP8+O
神通「そういったところが日常生活をに反映されてるのか、時雨さんは極端に遠慮がちですよね」
川内「うん、私が話しかけてもどこか申し訳なさそうにするしね」
神通「それくらいデリケートな彼女を、トラウマを抉ってまで傷つけたんです」
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