魔王「停戦協定を結びに来た」受付「番号札をとってお待ちください」
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8: ◆yufVJNsZ3s
2018/12/31(月) 21:59:04.84 ID:sCIvJdmA0

 庁舎の広間からアーチ状の欄間をくぐり、あたしは外へと出ます。勿論鼻をくんくんとやりながら。
 外は石畳が敷き詰められていて、まず左右に曲がる道と、そして真っ直ぐ先に大きな広場があります。左右に進めば別の建物へと行きつくようでした。そちらには興味も用もありません。
 匂いにつられて、前へ、前へ。

 広場の中心には噴水がありました。そこをぐるりと囲む様に、円弧の線上に点々と石が置いてあります。ちょうど腰かけるのによいくらいの高さのもの。ゆったりと二人、詰めれば三人くらいは座れそう。
 家族連れや恋人といった休日を楽しむ人間たち。そして食材を積んだ荷馬車と、冒険者風の一団と、ギムナジウムの徽章を胸に見せびらかしている男と……沢山の往来があります。
 気難しそうな顔をしている人間もいましたが、それよりもずっと多くの笑顔が眼に飛び込んできます。

 まるで魔族と戦争をしているようには見えません。




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