魔王「停戦協定を結びに来た」受付「番号札をとってお待ちください」
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2: ◆yufVJNsZ3s
2018/12/31(月) 21:37:27.49 ID:sCIvJdmA0

 言葉は宙に解けて消えました。俗に言う「空振り」ってやつです。

 机の向こう側にいる係員の対応はあくまで冷静なものでした。いや、恐らく彼の言葉など聞いてはいないのでしょう。正しい手順を踏まない者に用はなく、故に容赦もない。そんな姿勢が見て取れます。
 あたしはどうしたものかと思案して、順当に隣を見ました。予想外の言葉に固まっている影を。

「……ですって。どうします? 魔王様」

「呼び方を変えろと言ったはずだ。どこで誰の耳に入るかわからんだろ」

 浅黒い肌のその悪魔は、フードを目深にかぶり直しながら、人目を気にしつつ小声で話します。確かに周囲に人は多いですが、みんな自分のことで手いっぱい。そんな気にすることかなぁ?
 とはいえ用心に越したことがないというの事実ではあります。もともと抗弁をするつもりもないので、あたしはのんびりあくびをしました。




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