ダンガンロンパSS雑談スレ★12-SS速報VIP

ダンガンロンパSS雑談スレ★12

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328:名無しNIPPER
2019/01/31(木) 06:40:53.62 ID:s9ED4f/q0
クラスメイトには頼ることができない。
となると、縋れるものは一つだけ――
そこまで考えたところで、新太は大切なことを思い出した。
震える手で私用のリュックを引き寄せると自分の両手程の大きさのポケットのファスナーを開け、手を突っ込んだ。
ツルツルとした感触を確認し、それを引き上げた。
メタリックグレーの、二つ折りの携帯電話だ。
泊まりの旅行は心配だからと過保護な両親に持たされたのだ（本当は携帯電話の所持は禁止なのだが、「大事な子供との連絡手段を断つなんて学校は何を考えているの。もし新ちゃんの身に何かあったら、貴方の命でだって償えないのよ！？」と母が教師に抗議し、許可された）。

新太はパカッと携帯電話を開き、電源を入れた。
画面のライトで自分の顔が照らされ、一瞬目を細めたけれど、日常生活で見ていた物と変わらない画面に、少し安心した。
電話帳を開くと、家族の名前と『家』が表示された（この携帯電話で連絡する可能性のある相手が家族しかいないので、それだけしか登録していない）。
『家』を選択し、発信ボタンに指を置く。

『携帯電話なんて持ってるマセた人もいるかもだけど、それも圏外だから』

ふと、赤松がそのようなことを言っていたことを思い出した。
圏外なら、家には電話ができないではないか。
新太を絶望が襲う。

しかし、気付いた。
画面左上、そこに表示されているのは、『圏外』の文字ではなく、アンテナ。
頭上から光が差したような、希望が膨れ上がった。
なんだ、あんなこと言っていたけど、嘘じゃないか。
もしかして、全部嘘？
プログラムなのも、出発跡後に聞いた銃声も、あの隅田映美子（女子八番）が撲殺されたことすらも。

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