11:名無しNIPPER[sage saga]
2018/12/19(水) 23:27:45.44 ID:uEGK3sYu0
「朝比奈さん、私はミジンコらしいです」
「キョン子ちゃんは、キョン子ちゃんですよ」
「いや、どうも肉眼では確認出来なくて……」
「そんなことありません! ほら!」
「ふぇっ!? な、何を……?」
「こうして手だって繋げるんだから、ね?」
すっかり消沈して、微生物と成り下がった私の手を取って、朝比奈さんが元気付けてくれた。
その恋人のような手の繋ぎ方にドギマギする。
「……あ、ありがとう、ございましゅ」
「うふふ……キョン子ちゃん、可愛い」
「あ、朝比奈さんの方が、可愛いですよ」
なんだろうこの人は。天使なのかも知れない。
きっとそうに違いない。天の使いなのだろう。
ということは、私は昇天するに違いあるまい。
胸は小さくとも良い人生だったと胸を張ろう。
我が生涯に一片の悔いなし。と思っていたら。
「こら、キョン子! デレデレしないの!!」
ハルヒ姉さんに一喝されて、我に返った。
「あ、はい。すみません、涼宮さん」
「さっきから何よ、その口調。調子狂うわね」
「あ、すみません。ほんと、ごめんなさい」
矮小な私には、謝ることしか、出来なかった。
笑いたければ笑え。これが小さき者の宿命だ。
巨大な存在にひれ伏して、おこぼれを預かる。
そうしていつの日か、私も豊満な身体つきに。
「ほら、キョン子も髪を結ってあげるから」
「え? いや、私はこのままでいいよ」
「さっきまでの従順な姿勢はどうしたの?」
「あ、はい。よろしくお願いします」
ハルヒ相手に下手に出たのは迂闊だった。
特製のポニテを解かれ、アレンジされる。
小さき者に拒否権などありはしないのだ。
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