【艦これ】阿武隈「北上さんなんて、大っ嫌いなんだから!」
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31: ◆axPwtNeSoU[saga]
2018/12/19(水) 05:36:36.20 ID:ER7oh7KA0
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オレンジ色の太陽が水平線をきらめかせながら沈もうとしている演習水域。


「……負けましたね」


夕陽に照らされ、武蔵の足元から水面に長い影が伸びている。その影に向かって、大和が背後から声をかけた。


「……ああ、負けたな」


振り返らずに武蔵が応じる。


二人の全身は、頭から足の先、主艤装から砲塔の先までくまなく朱色の染料で染まっている。知らない者が見たらちょっとしたホラーな光景だ。



挑発に乗せられ主導権を握られ、しかも最後の最後までそれに気づくことが出来なかった。


相手には毛筋ほどの損害も与えられず、自分たちは轟沈判定。


夜戦にまでもつれ込むような事さえなければ不覚は取らぬ、圧倒的な力で圧し潰せるなどと……どの頭で考えたか。


夜戦まで保たずに力で圧し潰されたのは、結局、自分たちの方だった。


チームワークの差――などという生易しい話ではない。


終わってみれば……北上は武蔵、大井は大和。最初から彼女たちは、一対一でしか戦っていなかった。


その上での完膚無きまでの敗北――完全なる力負けである。


武蔵の視線の先では、先程まで戦っていた二人の艦娘が、ハイタッチしたり手を取り合ってくるくる回転したり、はしゃぎながらじゃれあっている。


ふと武蔵と大和の視線に気づいたように黒髪のお下げの艦娘が振り返り、


「お〜い、武蔵っちー、大和っちー!!」


手を振りながら、波を蹴って近づいて来た。その後ろには、茶色の髪の艦娘。





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