【艦これ】阿武隈「北上さんなんて、大っ嫌いなんだから!」
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132: ◆axPwtNeSoU[saga]
2018/12/20(木) 15:40:28.39 ID:dKCyvHSA0


「……わかった……よ! 阿武隈あぁっ!!」

「きゃうんっ!」


のしかかる阿武隈の襟を掴み返して、顔面に頭突き。

子犬のような悲鳴を小さくあげて、阿武隈がのけぞる。

相手の手が緩んだところで互いの身体の間に曲げた足を差し込んで、思い切り蹴りはがし、立ち上がった。


「あいっ……たぁーっ……」


尻餅をついた阿武隈は顔を押さえて涙目になっているが、知ったことじゃない。


「よーくもまぁ……好き放題やってくれちゃったよねえ」


頭はくらくらするし、髪はぐしゃぐしゃ。制服はずぶ濡れの泥まみれ。身体中あちこちがずきずき痛むし、口の中には鉄臭い血の味。


だけどこいつが。阿武隈が。自分の『阿武隈』を見せつけると言うのなら。

あたしの【憧れ】なんか、すぐに超えて見せると言うのなら。

あたしなんかを【憧れ】なのだと、まだ思ってくれているのなら。



――あたしだってこれ以上、こいつにぶざまな『北上』を見せられない。



「かかって来い? やり返して来い? ……上等じゃんか」


制服の袖で顔にこびりついた血と泥を拭い、両の足で濡れた地面を踏みしめる。


「……ここまではハンデでくれてやったけどさぁ。……こっから先は、そうはいかないから」

「なによ。……急にそれらしくなってきたじゃない」


……ああ、身体が熱い。血が、熱が、こみ上げる激情が。全身を駆け回り、身体中の血液を沸騰させる。





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