【艦これ】阿武隈「北上さんなんて、大っ嫌いなんだから!」
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115: ◆axPwtNeSoU[saga]
2018/12/20(木) 00:36:53.58 ID:dKCyvHSA0


「……でもね、阿武隈さん。そんな北上さんが……あなたが着任すると知った時、すごく嬉しそうにはしゃいでた」




――ねえねえ、大井っち、聞いた? あの【阿武隈】が、うちの鎮守府に着任してくるんだって!

――どんな艦娘になってるんだろね? どんなやつなんだろね?

――ああ、楽しみだなあ。

――あたし、教導やらせてもらえるかなあ。

――ううん、絶対あたしがやる。 提督が駄目って言おうがどうしようが、留守の間に勝手に決めちゃうから。

――ねえ大井っち。提督には内緒だよ?




「……正直、私は反対だった」


大井の声は苦しげだった。


「……北上さんは【軽巡・阿武隈】に憧れを抱き過ぎてた。理想の艦娘のイメージが、北上さんの中で膨らみ過ぎてた。 あなたは――ううん、あなただけじゃない。【軽巡・阿武隈】も、別に特別な艦じゃない。弱さも欠点も抱えたただの普通の軽巡洋艦だったはず」

「……いつか、北上さんの中での【軽巡・阿武隈】のイメージと、艦娘としてのあなたの姿にズレが生まれた時――北上さんがひどく傷つくことは判ってた」

「……でも、それでも……あんなにはしゃいで、あんなに嬉しそうにしてる北上さんを止めることは……私にはできなかった」


「……そして阿武隈さん。あなたは、北上さんの期待通りの素敵な艦だったわ」

「……何があっても諦めない。どんな難題でもまっすぐ立ち向かっていく。そして何より、仲間を絶対に傷つけず、必ず生きて連れ帰る……そんな艦になれるんだ、って北上さんが信じてしまったくらいに」


「……もちろん、理想の艦娘なんてイメージとは、程遠かったみたいよ? 生意気だし、泣き虫だし、口は悪いし、ね」


大井は困ったような笑みを阿武隈に向ける。


「……でも、そんなあなたの事を語る北上さんは、楽しそうだった」

「……私が、あなたには関わり過ぎない方がいいっていくら言っても、聞いてくれなかった」




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