長富蓮実「ザ・ラストガール」
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50:名無しNIPPER[saga]
2018/12/15(土) 00:10:06.73 ID:UJ40b2tyo
 
とたんに心臓が跳ね出して、頭がぼーっとする中、
男の人は先ほどよりもしっかりした口調で、私を引き留めます。

「君は古き良きアイドルの精神でこの時代に懐かし路線でデビューしたい。 今時そんなの、ギャグでも流行んないよって言われ続けてるが……それがもし」
「もし……?」

「トップの座に立てたら」
「トップ?」

アイドルの……とっぷ?
清純派アイドルが?

あのときと同じように?


「面白いと思わないか?」
「面白いって……でも、私そんな……アイドルとしての才能があるかまだ分からないし、ダンスも苦手だし―――なにも強みなんてありません」
「強み……あるよ。君には」
「ホントですか……?」
「自分のスタイルをすでに持ってる。 そしてそれが逆境であることを、すでに理解してる」
「!」

手に力が入りません。
この人が言おうとしていることが、まだはっきりと理解できなくて……
だけど、今までこんな風に言ってくれる人がいなかったことも確かです。


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