ターニャ・フォン・デグレチャフ「座薬型、演算宝珠……?」
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8:名無しNIPPER[sage saga]
2018/12/09(日) 00:18:31.86 ID:qy0gTOWh0
「さて、デグレチャフ少佐」
「ようやく本題ですか、シューゲル主任技師」
「左様。本題に移るとしよう」

副官のお披露目も終わり、いよいよ本題だ。

「今日、少佐にわざわざ足を運んで貰ったのは、他でもない。新型演算宝珠の起動実験の為だ。再び、私に貴官の力を貸してくれたまえ」
「お断りします。帰るぞ、副官」
「はっ……えっ?」
「待て! デグレチャフ少佐!」

案の定だ。こんなことだろうと思った。

「ドクトル、演算宝珠はもう間に合ってます」
「今回のはひと味もふた味も違うのだ!」
「戦場に珍味は必要ありません」
「いいや! この先、間違いなく必要となる!」
「では安全な缶詰にしてから送ってください」
「その為に実験が必要不可欠なのだっ!!」

その度に毒味させられるなど、御免だった。

「レルゲン中佐殿、助けてください」
「すまんが、今回の起動実験は参謀本部の指示だ。私は実験結果を見届ける為にここへ来た」
「そんなぁ……」

要するに、傍観者というわけか。使えない。
こんな時こそ、良識人ぷりを発揮して欲しいのに……まあ、参謀本部の指示ならば仕方ないか。

「了解です。せいぜい足掻いてみせましょう」

失望を隠すことなくたっぷりのため息を吐いて、デグレチャフ少佐は任務を拝領した。


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