【シャニマスSS】甜花「シンデレラと」夏葉「サンドリヨン」
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41: ◆/rHuADhITI[saga]
2018/12/05(水) 00:22:33.39 ID:eg1fP+qa0

朝の公園は閑散としていた。

時間のせいか、人通りは少ない。

発声練習をしている自分を、気に留める者はいなかった。

そんな静けさの中、女性が一人だけ近づいてくる。

服装は、自分と揃いの空色ジャージ。

甜花(夏葉さん……)

腹部に意識を集中させる。

頭の中に鏡をイメージする。

夏葉さんが、目の前に立つ。

気持ちを伝える為に、会話をする為に、色々な事を考えた。

でも、その収穫は全く無い。

もともと口下手なのだ。

気の利いた会話など、急に出来るようになるわけがない。

それなら、やれる事は一つ。

甜花「すぅ……」

息を深く吸い込んで、意識を切り替える。

立っているこの場所が、ステージの上であるかのように、自分を錯覚させる。

今の自分にできる事は、これだけなのだ。

当たって、砕ける事だけ。

甜花「『シンデレラ、これで顔を拭きなさい』」

手先を柔らかく、ピンと伸ばす。

無いはずの布切れを、そこに幻視させる。

一歩だけ距離を詰める。

甜花「『そしたら、礼拝に行きましょう』」

そして今度は、自分から手を差し出した。


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