【シャニマスSS】甜花「シンデレラと」夏葉「サンドリヨン」
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◆/rHuADhITI
[saga]
2018/12/08(土) 00:43:41.13 ID:IqdcIphC0
夏葉「でも、見たのはそれだけじゃないの」
夏葉「ゲームセンターでのアナタも、今ここで銃を撃つアナタも見たわ」
私は知っている。
甜花の真剣さも自信も、私は知っている。
夏葉「確かな技術をアナタは持っている。だけど、それを誇ることは決してない」
夏葉「誇ることなく、ただ自分を痛めつけている」
灰の坂道の苦しみを、確かに覚えている。
夏葉「教えて、甜花。アナタは……」
夏葉「アナタは何で……!」
感情が高ぶって、つい言葉が途切れてしまう。
たけど甜花はそれを読み取って、小さくも明瞭な声で答えた。
その表情を崩さないまま。
甜花「……甜花、誰かの役に立てるわけじゃないから……」
甜花が言葉を続ける。
その答えには、予測が付いていた。
私の考えている通りなら、きっと甜花は、あの名前を言うのだろう。
甜花「射撃じゃ……なーちゃんの役には、立てなかったから……」
胸が軋む。
やはり彼女は、杖も靴も持っていなかった。
持つ事を選ばなかったのだ。
彼女はまだ、灰の坂道に居る。
あの灰の坂道に居ながら、確かに家族を愛し続けている。
それはきっと、とても痛々しくて
とても美しい在り方なのだろう。
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