【シャニマスSS】甜花「シンデレラと」夏葉「サンドリヨン」
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121: ◆/rHuADhITI[saga]
2018/12/08(土) 00:43:41.13 ID:IqdcIphC0

夏葉「でも、見たのはそれだけじゃないの」

夏葉「ゲームセンターでのアナタも、今ここで銃を撃つアナタも見たわ」

私は知っている。

甜花の真剣さも自信も、私は知っている。

夏葉「確かな技術をアナタは持っている。だけど、それを誇ることは決してない」

夏葉「誇ることなく、ただ自分を痛めつけている」

灰の坂道の苦しみを、確かに覚えている。

夏葉「教えて、甜花。アナタは……」

夏葉「アナタは何で……!」

感情が高ぶって、つい言葉が途切れてしまう。

たけど甜花はそれを読み取って、小さくも明瞭な声で答えた。

その表情を崩さないまま。

甜花「……甜花、誰かの役に立てるわけじゃないから……」

甜花が言葉を続ける。

その答えには、予測が付いていた。

私の考えている通りなら、きっと甜花は、あの名前を言うのだろう。

甜花「射撃じゃ……なーちゃんの役には、立てなかったから……」

胸が軋む。

やはり彼女は、杖も靴も持っていなかった。

持つ事を選ばなかったのだ。

彼女はまだ、灰の坂道に居る。

あの灰の坂道に居ながら、確かに家族を愛し続けている。

それはきっと、とても痛々しくて

とても美しい在り方なのだろう。


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