【シャニマスSS】甜花「シンデレラと」夏葉「サンドリヨン」
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11: ◆/rHuADhITI[saga]
2018/12/04(火) 23:28:10.39 ID:I+Xf9OEw0
甜花「腹式呼吸、って……」

夏葉「ボーカルレッスンで叩き込まれているはずよね。それを思い出して」

夏葉「ステージ上で歌う時みたいに。それでいて、叫ぶようにしない事を意識するのよ」

夏葉「さぁ、やるわよ。さん、はい……!」

甜花「シ……! 『シンデレラ、これで顔を拭きなさい。そしたら、礼拝に行きましょう』」

甜花「……あ、いい感じ……」

夏葉「悪くなかったわね。それじゃあ次は動きの方ね。こっちはダンスレッスンを思い出しなさい」

甜花「ダンス……?」

甜花「でも……このシーンの動きって、手を差し伸べるだけだよ……?」

甜花「だから、こう……」

特別な動きをせずに、夏葉さんに向かって手を差し伸べる。

夏葉「それだとダメよ。それは普段の動きの模倣であって、演技にはなっていないの」

夏葉「他人の目にどう映っているかを意識しなさい」

夏葉「どういう動きをしているのかを、観る人に伝えなくてはいけないのだから」

甜花「観る人……伝わる、様に……」

他人から見た自分、それは鏡に映った自分とも言えるわけで。

甜花(あ、だから……ダンスレッスンなんだね……)

頭の中での動きと、実際の身体の動きの擦り合わせ。

それを鏡を介して行う作業は、自分にとって慣れ親しんだものになっている。

甜花「こう……かな?」

背筋を伸ばして、腕を少し過剰なくらいピンと張る。

それでいて、指先を開いて柔らかく。

脳内鏡の中の自分が、しっかりとポーズを取って立っている。

夏葉「ええ、いい感じだったわ。少しぎこちない気もするけれど」

夏葉さんが満足げに頷いた。

夏葉「さて、これで発声と動作についての取っ掛かりは掴めたかしら?」

甜花「う、うん……分かりやすかった……です……」

夏葉「それなら良かった。まずは、この二つからしっかりと練習しなさい」

夏葉「なにごとも最初は一つずつ。どんなに複雑に見える問題も、そうすれば必ず解決できるものよ」

そこでようやく、夏葉さんが自分を見てくれていた事に気が付いた。

見兼ねて、助けてくれたのだ。


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