【シャニマスSS】甜花「シンデレラと」夏葉「サンドリヨン」
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100: ◆/rHuADhITI[saga]
2018/12/07(金) 23:56:11.19 ID:FY/Mf+h+0

再び父親の夢。

場所はやはり有栖川の屋敷。

父親の書斎で、私が泣いていた。

父が、私の頭を撫でている。

優しげな手付きで、柔和な笑みを浮かべて、父はそうしていた。

私はそれに、確かな親の愛情を感じていたのだと思う。

だからこそ。

大きな父の手のひらが、私には恐ろしい物に思えたのだった。

覚醒。



夏葉(……朝……)

枕元に置かれた時計に目をやる。

いつも通りの時間である事を確認して、五分後に鳴るはずのアラーム機能を切った。

その時点で既に、夢の内容は立ち消えている。

おぼろげに覚えているのは、昔の夢という事だけ。

夏葉(なぜ今更、そんな昔のことなんて……)

昨夜のカレーの失敗が尾を引いているのか、プロデューサーの過去の言葉が気にかかっているのか。

理由はいくつか考えられるが、その正解は求めないでおく。

夏葉(まぁ、そんな夢を見ることもあるわよね)

意識を切り替える。

今日は舞台練習こそ無いものの、私も甜花も、ユニットでの仕事が入っているのだ。

夢の理由など考察している暇があれば、そちらの事を考えていた方が、よっぽど有意義なのは間違いない。

夏葉「よし! 甜花を起こしてきましょうか」

声に出して気合いを入れる。

これでもう、普段と変わらぬ有栖川夏葉だ。

ただ、違う所を違う所があるとすれば、胸中にある微かな予感。

何かを見い出すような、或いは、何かを見出したような、好転の兆し。


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