6: ◆GO.FUkF2N6[sage saga]
2018/12/03(月) 17:58:30.29 ID:HUwosoqi0
瞼を開けてみると、見慣れた呆れ顔がそこにあった。
「おはよ〜プロデューサー。はぶあないすでー」
「いま会ったばかりだろうが! ったく、レッスンさぼんなよ。怒られるのは俺なんだぞ」
「にゃはは。だいじょーぶだいじょーぶ。トレーナーちゃんもいい加減慣れてきてるっぽいしねー」
ため息とともに呆れのにおいが濃くなった。
彼とのやりとりは退屈しのぎにちょうどいい。でも、今のあたしの興味は彼の隣にポツンと立っている小さな生き物にある。
視線を向けると、小さな体がビクッと跳ねた。
「その子はどーしたの? 誘拐でもしてきた?」
人聞き悪いこと言うな! というツッコミを無視して対象物の観察をはじめる。
ふむふむ。やっぱり見たことのない人間の女の子だ。
身長は目測125から130センチ。推定5〜6歳。性別メス。パッツンと切られた前髪。ゆらゆらと揺れる大きな瞳。
そして。
「ねえキミ、その格好暑くない?」
気温40度を超したと騒ぎになってる今年の夏に、なぜか着ぐるみを着ている。
かわいいうさぎの着ぐるみだ。
はっきりとにおいがわからなかったのは、これのせいだったんだねー。
見てるだけのどがカラカラになってくるけど、熱中症とか大丈夫かにゃ。
ゴホンとわざとらしい咳払いが、あたしの思考を引き戻した。
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