33: ◆GO.FUkF2N6[saga]
2018/12/15(土) 13:34:57.90 ID:kZJKvpHt0
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仁奈ちゃんと暮らしはじめてだいたい3週間。
今日はレッスンも外出もしないで一日中家で過ごすことにした。
あっ、ズル休みじゃないよー。ちゃんと許可はとってるよ。
オフってやつだよー、うらやましいかにゃ。
「がおー!」
隣からかわいらしい声が聞こえてくる。
テレビ画面に映っている百獣の王の雄姿に、仁奈ちゃんの心は鷲掴みされたみたいだ。
「いいねー、あんなに自由に走り回れて」
「志希おねーさんもライオンの気持ちになるですよ!」
「にゃはは。なるですよー」
キラキラしている横顔を眺めながら、あたしの頭脳は分析をはじめる。
キグルミを着ていたら、パパやママがかわいがってくれた。
仁奈ちゃんがキグルミや動物を好きになったのは、それがきっかけだと仁奈ちゃんが教えてくれた。
それはきっと日常の1ピースにすぎない出来事だったんだろうけど、この子にとっては大事な思い出に違いなくて。
キグルミを着て動物の気持ちになりきってその思い出にしがみつくことで、寂しい気持ちをごまかそうとしているのかもしれない。
なんて、心理学者ごっこをしてる間に番組は終わったみたい。
さっきまで興奮していた仁奈ちゃんは眠たそうに瞼をこすっている。
「お昼寝しよっか」
仁奈ちゃんはコクリと頷くとそのままベッドに体を預けて、すぅすぅと寝息をたてはじめた。
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