29: ◆GO.FUkF2N6[saga]
2018/12/09(日) 18:38:24.30 ID:WNr0Gect0
「仁奈ちゃんはほんとにママのことが好きなんだねー」
「もちろんでごぜーます! あっ、でも怒るとちょっとこえーですけど」
「へぇ、仁奈ちゃんでも怒られることってあるんだ」
「志希おねーさんは怒られたことねーでやがりますか?」
怒られたこと、かー。
家の壁に数式の落書きをしたときとか、食べ物にからしをたっぷり混ぜてみたときとか。
うん、あるある、鼻にしみついて離れないぐらい、たくさん。
あたしが悪さをするたびに、こわーいにおいを発しながら雷を落とされてたっけ。
その中でも一度だけ、いつものにおいと比べ物にならない、すっごくこわいにおいがしたときがあった。
いつものようにブラブラお散歩してたその日。
いつの間にか見たことのない場所にいて、帰り道がわからなくなった。
あっちだこっちだ迷いながら歩き回って、ようやく家までたどり着いたときにはすっかり空が暗くなっていた。
家の玄関を開けると、靴を履こうとしているママがそこにいた。
くしゃりと顔を歪ませたママに痛いくらい抱きしめられて、すっごく怒られた。
ご近所さんに聞こえるくらい、大声で。
いまでもよくわかんない。
別に悪いことしたわけでもないのに、ママはなんであんなに怒ってたんだろーか。
オトナってフシギだねー。
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