勇者「喋れない。呪いかけられた」
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44: ◆FDzhHKeueQ[saga]
2018/12/04(火) 01:49:40.06 ID:bQjGQ6FoO
勇者「(だが、それでも、だ。いわゆる不可抗力というやつで責任をとれと迫られるなんて納得がいかん)」カキカキ

女武闘家「……? どうしたの? なに書いてるの?」

勇者「(俺は考えた。ここから逃げ出す方法を。プラン名はーー……“八方美人作戦“である)」スッ

女武闘家「こ、これって……っ!」カサッ

勇者「(今、俺が武闘家に渡したのは、さきほどの返事。『期待してるぞ』とだけ書いた紙だ。こうするとーー)」

女武闘家「やっ、やっぱりっ! あたしが思った通りだったんだ……っ! 勇者もっ、あたしと……!」

勇者「(このように、勝手に思いこんでくれる。他の三人にも同じ紙は書いて渡してある。もし、誰かに盗み見られてもごまかせるよう、あえて簡素な言葉を選んで書いた。保険はバッチリだ)」

女武闘家「ちょっとっ! あんた達ぃ!!」バンッ

女戦士「ん?」

女魔法使い「静かだと思えばどうしたの?」

女僧侶「うそ、うそよ。あ、そうだ。あの紙、勇者様から渡された紙があるじゃない」ブツブツ

勇者「(八方美人作戦の真の目的は、事態のさらなる悪化。つまり、殺し合いをさせることにあるのだからーー)」ニヤリッ


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