36: ◆FDzhHKeueQ[saga]
2018/12/03(月) 22:00:12.08 ID:yNpXKADxO
ーーあれから、どれくらい、いや。
どれほどの日数が経っただろう。
浅いまどろみと覚醒とを繰り返していた。夢を見ているときも、それが夢であることを、はっきりと意識していた。
こういうのを明析夢(めいせきむ)というらしい。
とても暗い道を鉛のように重い身体を引きずり闇の中を逃げている。背後から僧侶達の気配が追ってきていた。
「ゆうしゃさまぁあああ〜〜」
「ゆうしゃ〜〜! どこ行ったんだぁ〜〜?」
探す声が聞こえる。
逃げ続けてもいつかは、袋小路に追い詰められる。
助けて。
助けて。
助けて。
声の限り叫んだ。
あいつらは口元から涎を垂らして近づいてきていたーー。
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