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780:名無しNIPPER[saga]
2018/12/08(土) 02:30:15.42 ID:YzfBtKCD0

～～パソコンが勝手に落ちたので腹いせに書いた若き頃のお話～～

――――50年前。

六道神域、地獄道。

「第死級」到来。

五常衆総勢300名、後に280名の死亡を確認。

残された兵数を以てしても討伐は困難。

数々と人が死に逝く中。それでも士達の心は折れる事は無い。

何故ならば、この五常衆にはまだ希望が存在するが故に―――。

「おうおう、随分とデケぇモンが飛んどるのぉ」

神剣を肩に担い、その天に浮かぶ第死級を傍観しながら独り言の様に呟く。

その言葉を汲み取る様に、また一人の幼き乙女がその隣に立った。

赤く、朱く、火く。その姿はさながら炎に包まれたかの様な絢爛さ。

「ふむ……遅れを取るで無いぞ貴様ら」

嘗て、五常衆最高戦力者と称された者が五人居た。

その内の二人は其処には居なかったが。

最強とも謳われる者が三人、其処に居る。

五常衆が一人……智の長「宵森半兵衛」

五常衆が一人……義の長「折鶴ちづる」

そして最後の一人、彼はその場には居ない。

彼は誰よりも先に先陣を切り、誰よりも長く生き延びる、生きる伝説。

その名は誰もが知り、誰もが恐れ、誰もが憧れた一人の益荒男。

天に潜む「第死級」の金切り声と共に落ちてくる姿。

地面に着地すると、肉体に付着した赤黒い血を布でふき取りながら再び立ち上がる。

「おぅ、遅いじゃねぇか、お前ら」

彼が、彼こそが。

五常衆が一人……仁の長「佐々倉善左衛門」

「沢山、殺されちまったみてぇだな」

「構わん、奴らの亡骸はわちが有効に使ってやろう」

「………たくっ、俺の後に続くからこうなるんだよ、馬鹿野郎が」

死に絶えた者も、生き永らえ苦しむ者も、皆彼に憧れたから第死級にも立ち向かえた。

例え無駄死にとなろうと、彼らの存在は、我らが隊長が覚えてくれる。

我らの意志は、隊長が継いでくれる。

「待ってろよ。お前らの弔いは、あの第死級の亡骸で飾ってやる」

血液に汚れた神剣を再び放つ。

光り輝く神剣が、天に渦巻く第死級に向かって放たれた。

―――――彼らの闘争は終わらない。五十年を超えた先でも、彼らは戦い続ける。

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