3: ◆xxLVUHZFyEbH[sage saga]
2018/11/23(金) 22:08:07.85 ID:VkJ2I7r5o
美希はこの男が好きになれなかった。男が話す仕事の話は、つまらない。
そのうえ、なんとかして美希に思い通りに動いてもらおうという下心を感じるのだ。
ミキはあの人の道具じゃない、ミキはミキなの、と事あるごとに同僚に話すのであった。
そのため、彼女は男のことを「そこの人」と呼ぶ。できるだけ他人でいるために。
「ねえ、そこの人」
「プロデューサー、な」
「そこの人」
「......なんだよ」
「ミキ、今日は眠いから帰るね」
「だめだ」
プロデューサーが険しい声で答えた。
ほら、また思い通りにいかなくてイライラするんだ、と美希は思った。
でも、イライラしているのはミキもなの。そう気づいて、美希はやり場のない怒りで毛が逆立つのを感じた。
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