まゆり「あなたは誰ですか?」岡部「……ッ」
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13: ◆/CNkusgt9A[saga]
2018/11/20(火) 21:39:27.12 ID:TX6juVmuo

萌郁「あの、岡部く――」

岡部「すまない、萌郁。事情は後で話す。今は帰ってくれ」


 萌郁には全く理解できない状況だろう。だが、説明している余裕はない。


萌郁「……わかった」ガチャ バタン


 思いのほか素直に引き下がってくれた。恩に着る。
 まゆりはおそらく、萌郁がラボの中に入ってきたことで――たぶんかすかな声や匂いなどで――最も忌むべき、そして最も繰り返した死の記憶を呼び覚ましたのだろう。


まゆり「いやぁぁぁあっ! やだよぉぉぉぉっ!!」ポロポロ

紅莉栖「あのまゆりがここまで取り乱すなんて……。もう大丈夫よ! 桐生さんは下に行ったわ!」

まゆり「だめぇぇぇっ!! みんな、殺されちゃうよぉぉぉっ!!!」ポロポロ


 紅莉栖には去年アメリカでα世界線でのラボ襲撃の話はしてある。"みんな"という言葉で紅莉栖も感づいたはずだ。
 まさか、まゆりはいまだ夢を見続けているのか? 幻覚を見ているのか!?


岡部「まゆりっ! 大丈夫、もう大丈夫なんだ!!」ダキッ

まゆり「オカリン……っ。う、うぅっ……」


 俺がまゆりの全身を力強く抱きしめると、ふっと落ち着き、そして切なく泣き出した。


まゆり「うわぁぁあぁぁああああぁぁぁぁぁぁん……」



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