バットマン「グランド……オーダー?」レオナルド「その3だね」
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◆GmHi5G5d.E
[saga]
2019/05/10(金) 22:56:29.38 ID:RF0g7SSA0
ブルースは瞬時に身を沈め、相手の心臓目掛けて掌底を繰り出した。彼は矜持を曲げ、信念を曲げ、殺意のこもった一撃を放つ。それは一重に、相棒を信じているからである。
マシュもまた、それを汲み取る。強くならねばならない。手を伸ばさねば。デミ・サーヴァントとして生まれた意味を、守りたい人を守るという自由を……。
では、マシュの原動力とは何だ。
彼女のマスターは、それを恐怖だと語った。
かつてアメリカで共に戦った看護師は、地獄を作らないためと言った。
ロンドンで共闘した剣士は、恐怖をもひねりつぶす怒りを体現していた。
共に航海した女海賊は、エゴを謳歌し、一瞬を全力で生きる事。
とある国の皇帝は、凍てつく永遠を否定し、皇帝たる者となるため。
遠い国の聖女は、人の美しい面を肯定するために。
では、マシュの力は何だ。彼女が盾を持ったのは何ゆえだ。
マシュの全身の細胞が沸き立ち、時間が引き伸ばされる。ブルースの掌底が極度にゆっくりとマシュの心臓を目掛ける。
マシュは一瞬、恐ろしい想像に身を浸した。彼女の盾の後ろが害され、なすすべもなく蹂躙されてゆく様を思い描いた。
直後、彼女は目を見開き、決死の思いでブルースの腕を弾いた。ブルースは、身体強化の魔術をかけられてなお追い切れないマシュの動きに、目を見開いた。
マシュは身体を捻り、地面に突き刺すように足を振り下ろす。そして、腰の捻りを解放し、巨人の鉄槌じみた盾の一撃を繰り出した。
(『本物』だ)
その一撃を目前にし、ブルースはぞっと背筋を粟立たせる。彼の相棒は『殺意』を覚えた。その最初の一撃が、彼を目掛けている。
「くっ」
ブルースは両腕を開き、広い面積で衝撃を受ける。そして吹き飛ばされ、壁に叩き付けられるようにして全身で衝撃を流した。
(やはり彼女は天才だ。手加減せず、良かったと言うべきか)
ブルースは膝をつき、口の端の血を拭って目の前の少女を見る。彼女が素の力で自分を超える日は遠くない。いや、もうじき超えられる。
だが、今は。
「……やはり、詰めが甘い」
ブルースは手の中の起爆スイッチを押した。直後、マシュの盾に塗布された爆破ジェルが爆発し、彼女は弾き飛ばされた。
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