6: ◆JeBzCbkT3k[saga]
2018/11/14(水) 19:22:06.80 ID:Nn2yIfhz0
付き合いのある三年生は何人かいるが、私と一番縁が深いのはやはりそど子だと思う。
初対面の頃はまさかここまでの付き合いになるとは想像していなかったが、いつの間にやら。
俗にいう腐れ縁という奴だ。
7: ◆JeBzCbkT3k[saga]
2018/11/14(水) 19:25:00.00 ID:Nn2yIfhz0
「冷泉さんっ! これで連続遅刻記録57日目よっ!」
昨日と比して、数字だけが一つ増えている。
たったそれだけの違いで、変わらずそど子は校門前に立っている。
8: ◆JeBzCbkT3k[saga]
2018/11/14(水) 19:26:56.05 ID:Nn2yIfhz0
「さあ、わかったら早く校舎に入るっ! 遅刻の時間がどんどん広がっていくわよ! ほら、一秒、二秒――」
「はいはい、そど子……」
9: ◆JeBzCbkT3k[saga]
2018/11/14(水) 19:29:41.20 ID:Nn2yIfhz0
「麻子〜。卒業式の打ち合わせするから、麻子、カモさんチームのみんな呼んできて。あ、そど子先輩は駄目。在校生だけね」
ぐうたら生徒会室のソファに寝そべっていたら、沙織にお使いを頼まれてしまった。
10: ◆JeBzCbkT3k[saga]
2018/11/14(水) 19:32:50.54 ID:Nn2yIfhz0
「金春さん」
「んー? あれ、どうしたの?」
11: ◆JeBzCbkT3k[saga]
2018/11/14(水) 19:34:43.15 ID:Nn2yIfhz0
「何をしてるんだ」
「風紀委員のみんなに指示を出してるの。ゴモヨ、風紀委員長だからね」
12: ◆JeBzCbkT3k[saga]
2018/11/14(水) 19:38:57.35 ID:Nn2yIfhz0
生徒会室へ向かう道中。
「金春さん。少し訊きたいことがある」
13: ◆JeBzCbkT3k[saga]
2018/11/14(水) 19:40:22.67 ID:Nn2yIfhz0
「しかし、あまり卒業する様子を見せないだろう」
「そうかな? きちんと引き継ぎとかしてくれてるよ」
14: ◆JeBzCbkT3k[saga]
2018/11/14(水) 19:42:07.91 ID:Nn2yIfhz0
確かに言われてみれば、そど子が後輩教育に勤しむ姿はありありと思い浮かんだ。
引退する自覚がないのではないかと邪推してしまって、若干の申し訳なさを抱くが――、
15: ◆JeBzCbkT3k[saga]
2018/11/14(水) 19:45:01.54 ID:Nn2yIfhz0
「冷泉さんっ! これで連続遅刻記録58日目よっ! まったく、毎日きまって遅刻する生徒なんて貴女くらいなんだから!」
「そど子……」
16: ◆JeBzCbkT3k[saga]
2018/11/14(水) 19:47:22.87 ID:Nn2yIfhz0
「そど子、どうしてここにいるんだ」
とりあえず脳裏に浮かんだ言葉をそのまま口にしてみる。
昨日からずっと考えていたことだ。
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