真壁瑞希「恋するアセロラ・サイダー」【ミリマスSS】
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5
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◆kBqQfBrAQE
[saga]
2018/11/12(月) 22:28:05.48 ID:NGPIxQq80
・・・・・・・・・・
以下略
AAS
6
:
◆kBqQfBrAQE
[saga]
2018/11/12(月) 22:29:00.92 ID:NGPIxQq80
一体、いつからだろう?
オーケストラの指揮をすることになり、どうすれば皆のハーモニーを紡ぐことができるか悩んでいた私を、彼が助けてくれたときだろうか? それとも、乙女ストームのお姉さん役として、何をすべきか考えていた私を導いてくれたときだろうか?
以下略
AAS
7
:
◆kBqQfBrAQE
[saga]
2018/11/12(月) 22:30:15.75 ID:NGPIxQq80
好きだという気持ちは本当なのに、冗談としてその言葉を言ってしまえば、私の気持ちに嘘をつくことになる。そう思うと胸がキンと冷えた感触するのだ。
じゃあ、本当の気持ちで好きだと伝えたらどうか、だって? それは一番伝えたい言葉だ。でも、伝えるにはとても勇気が必要だし、この気持ちをさらけ出すのは、何より怖い。
以下略
AAS
8
:
◆kBqQfBrAQE
[saga]
2018/11/12(月) 22:30:50.41 ID:NGPIxQq80
「瑞希?」
「わっ」
以下略
AAS
9
:
◆kBqQfBrAQE
[saga]
2018/11/12(月) 22:32:31.95 ID:NGPIxQq80
そうだ。いっそ今から、言えるかどうか試してみようか。昔は彼に言うことのできた冗談を、今なら何だか言えそうな気がする。
「プロデューサー」
以下略
AAS
10
:
◆kBqQfBrAQE
[saga]
2018/11/12(月) 22:33:20.40 ID:NGPIxQq80
突然の質問に彼はあっけにとられていたが、すぐに顔を緩めた。
「スキー? ああ、やったことあるぞ。昔はよく友達と滑りに行ってたなあ、最近はめっきり行ってないけど」
以下略
AAS
11
:
◆kBqQfBrAQE
[saga]
2018/11/12(月) 22:35:02.47 ID:NGPIxQq80
「ところで瑞希。さっきはスキーのことを、あんなに考えてたの?」
「いえ、あ、えっと。そうです」
以下略
AAS
12
:
◆kBqQfBrAQE
[saga]
2018/11/12(月) 22:35:55.18 ID:NGPIxQq80
私がとっさに出した誤魔化しから、スキーロケが決まってしまった。ちょっとワクワクするぞ。でもちゃんと滑ることができるのだろうか。練習をした方がいいのかな、いや、練習はできないか。
好きですと言おうと試みるも言えずに誤魔化すことは、これまで幾度も繰り返したことだった。この前は「すき焼きを最近食べてないです」と言ってしまった。おかげで急遽すき焼きを食べに行くことになったのだが。……あれは美味しかったな。プロデューサー、ごちでした。
以下略
AAS
13
:
◆kBqQfBrAQE
[saga]
2018/11/12(月) 22:36:58.95 ID:NGPIxQq80
結局、今回も言えず仕舞いであった。二音目、口蓋とそこに押し付けた舌が離れるときに生じる破裂音が細く流れようとした途端、胸が冷え、つかえるような気持ちになってしまい、言い出せなくなる。これは嘘を吐くことへのためらいからなのか、それとも、好きだと言うことへの恥ずかしさからなのか。
好きですと冗談で言わなければ死んでしまう病にかかっているわけでもないので、別に言う必要もないのだが、以前まで出来たことが出来なくなるのはモヤモヤする。
以下略
AAS
14
:
◆kBqQfBrAQE
[saga]
2018/11/12(月) 22:37:58.11 ID:NGPIxQq80
プロデューサーも先ほど出掛け、シアターの控え室は再び私だけだ。人の気配も全くなく、今なら禁止されている野球をしてもバレないだろう。
椅子を離れ窓際へ向かうと、天気が良いお蔭で風景がよく見えた。我が765プロのシアターは臨海地区に居を構えており、海がすぐそばに見える。海の向こう側には都心のビル群が林立し、晴れて空気が綺麗な日には、今日のように富士山が顔を覗かせてくれる。
真下を見るとシアター前の広場があり、私たちのライブを見に来たであろうファンも含め、たくさんの人々が往来していた。開場を待たんとする正面玄関の人垣は、蟻の這い出る隙もないかのように、ひしめき合っている。
以下略
AAS
15
:
◆kBqQfBrAQE
[saga]
2018/11/12(月) 22:39:24.03 ID:NGPIxQq80
紅色の透き通った液体の中を、丸く玉のように煌めいた無数の泡粒がポコポコと浮かんでは弾けて消える。ストローで一口含めば炭酸のピリリとした刺激と爽やかな香りが広がり、その香りに負けない濃い酸味とほのかな甘みが心を躍らせる。夏場の厚い時期やレッスン終わりのカラカラな喉には打ってつけだ。......どうしよう、飲みたくなってきたぞ。
アセロラ・サイダーの味を思い出すと、下あごの内側がくすぐったくなる。甘さ以上に感じてしまう、淡く、爽やかで、それでいて心にジンと来るような酸っぱさを。その甘酸っぱさは、まさに初恋の味なのではないかと想像する。
以下略
AAS
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