真壁瑞希「恋するアセロラ・サイダー」【ミリマスSS】
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28
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◆kBqQfBrAQE
[saga]
2018/11/12(月) 23:01:45.00 ID:3wSsqTkg0
「わ、悪かった。そんな怒んないでくれよ」
「いいでしょう。プロデューサーの反省に免じて、許します」
以下略
AAS
29
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◆kBqQfBrAQE
[saga]
2018/11/12(月) 23:03:13.62 ID:3wSsqTkg0
「よかった。じゃあ、この冊子にCMの概要が書いてるから、ちょっと目を通して」
受け取った冊子をめくると、CMは二種類あり、内容が絵コンテのようなもので描かれている。私は、二つ目の内容が載ったページに目が留まった。
以下略
AAS
30
:
◆kBqQfBrAQE
[saga]
2018/11/12(月) 23:05:03.27 ID:3wSsqTkg0
「たかだか三十秒くらいのCMだけど、かなり色んな表現描写もあるから、瑞希にとって大きなステップアップになると思う」
それから彼は私をじっと見据えた。視線が私の心をとらえ、私は息を飲んだ。
以下略
AAS
31
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◆kBqQfBrAQE
[saga]
2018/11/12(月) 23:05:49.72 ID:3wSsqTkg0
・・・・・・・・・・
以下略
AAS
32
:
◆kBqQfBrAQE
[saga]
2018/11/12(月) 23:06:36.80 ID:3wSsqTkg0
「瑞希、そろそろ」
撮影が始まるから、とプロデューサーが声をかけに来た。
以下略
AAS
33
:
◆kBqQfBrAQE
[saga]
2018/11/12(月) 23:07:16.90 ID:3wSsqTkg0
不安がゼロだといえば嘘になる。演技の練習をしていたときも、妙に落ち着かない気分にしばしば陥った。特に最後の「好きです」という台詞を発した後は、虫が服の中をモゾモゾと動くような気味の悪さを覚えた。その不安を払うために練習を何度も繰り返したが、部屋を鳴らす私の声の残響が、いつまでも耳に残った。
とはいえ、演技は演技だ。それに、せっかく彼が私のためにと選んできてくれた仕事だから、期待に応えられるようバッチリとこなしたい。
以下略
AAS
34
:
◆kBqQfBrAQE
[saga]
2018/11/12(月) 23:08:36.20 ID:3wSsqTkg0
このCMに登場する女性は意中の男性に今日こそ告白しようと心に決めている。だから、彼女は彼との会話にうわの空で、緊張しながら告白のタイミングを図っているのだろう。
「こんなに寒いと、風邪引かないように気を付けないといけないな」
以下略
AAS
35
:
◆kBqQfBrAQE
[saga]
2018/11/12(月) 23:10:40.88 ID:3wSsqTkg0
そして、男性の方へ目を向けたとき、カメラの向こう側に立つプロデューサーの姿が私の目に映った。一瞬だったが、それは永遠の出来事に感じられた。
私は身体と、そして心のすべてが氷漬けされたように、まったく動けなくなった。彼の姿がネガフィルムのようにくっきりと網膜に焼き付いたように見え、それ以外は闇で覆われるように真っ暗になる。それまで感じていた、両手に持つ紅茶の温もりも、並木道を抜ける風の冷たさもすべて失せてしまった。
以下略
AAS
36
:
◆kBqQfBrAQE
[saga]
2018/11/12(月) 23:13:22.58 ID:3wSsqTkg0
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以下略
AAS
37
:
◆kBqQfBrAQE
[saga]
2018/11/12(月) 23:15:08.49 ID:3wSsqTkg0
プロデューサーに付いて行く形で、暗い並木道をしばらく歩いていると、CMの撮影スタッフから先ほどの演技が好評だったと彼が言った。
「特に間がよかった、ってすごく評判だったよ。相手役の言葉を遮るタイミングとか、あと何より、告白するときの溜めが完璧だったって。いやあ、べた褒めだったよ」
以下略
AAS
38
:
◆kBqQfBrAQE
[saga]
2018/11/12(月) 23:16:38.66 ID:3wSsqTkg0
「そうそう、飲料会社の広報とさっき話したけど、別の商品のCMにも瑞希を使いたいって言ってたぞ? それで......瑞希?」
「プロデューサー、どうしましたか? ......あれ?」
以下略
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