22: ◆O3m5I24fJo[saga]
2018/11/13(火) 20:59:11.23 ID:c+BVrGz60
「これね、私の誕生花」
彼女は1房のアメジストセージの花を摘み取り、穂の先端にキスをした。
「花言葉は“家族愛”。……私ね、あなたと家族になれる日がとても楽しみ」
こちらに振り向いて微笑む彼女は、俺のために料理を用意してくれた少女の成長した姿だとはっきりわかった。
「そろそろ帰ろっか」
彼女は花を左手に持ったまま、右手で俺の手を掴んだが、その瞬間彼女の姿は光の粒となって弾けた。
宙に放られた花は光の玉となり、俺の掌に入ってきた。
思い出した。
毎年秋になると、彼女の自宅の玄関には、彼女が摘んだアメジストセージが飾られていた。
時々俺の家の玄関にも飾らせてほしいと言って、花瓶と一緒に持ってきていたっけな。
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