122: ◆O3m5I24fJo[saga]
2018/11/18(日) 23:51:54.21 ID:BvLf2b/j0
【7】
結論から言うと、俺は彼女の見舞いには行けなかった。
残業が長引き、病院の面会時間を過ぎてしまったのだ。
なかなか支払いをしてくれない客との交渉さえさっさと終わっていれば……ああ、ちくしょう。これ以上期限は延ばせないって言ってんのに。
とぼとぼとマンションに向かう。
アパートと呼んでも違和感のないボロマンションは、今日も寂れた雰囲気を醸し出していた。
鍵穴を回して扉を開けると、スナック菓子を噛む音が聞こえた。
15歳くらいの姿のクォ・ヴァディスが、割り箸でポテチを挟みながら漫画を読んでいたのだ。
「また襲われたのか?」
「先日の過激派の天使が脱獄したそうだからね。できるだけこっちに留まることにしたんだよ」
悪魔というのも大変そうだ。
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