傘を忘れた金曜日には.-SS速報VIP

傘を忘れた金曜日には.

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778:名無しNIPPER[saga]
2019/04/21(日) 22:01:45.73 ID:hfXGEpDLo

「ま、まあまあ。でも、ほら、こういう形でも、部が認知されるのは悪いことじゃないし」

「活動目的に反してるだろ」

779:名無しNIPPER[saga]
2019/04/21(日) 22:02:13.03 ID:hfXGEpDLo

「……どうにかしてやるしかないだろうな」

　俺のその言葉に、大野は少し面食らった顔をした。

780:名無しNIPPER[saga]
2019/04/21(日) 22:02:45.19 ID:hfXGEpDLo

◇

「せんぱい、わたしに秘密にしてることあるでしょ」

781:名無しNIPPER[saga]
2019/04/21(日) 22:03:12.25 ID:hfXGEpDLo

「でも、話せないなら、べつにいいよ」

「……いいのか？」

782:名無しNIPPER[saga]
2019/04/21(日) 22:03:38.42 ID:hfXGEpDLo

「そうかな。純佳には、元気そうになったって言われたけど」

「それは、前よりは、そうかもだけど。でも、やっぱり、無理してる感じ」

783:名無しNIPPER[saga]
2019/04/21(日) 22:04:23.11 ID:hfXGEpDLo

「文章が書けるようになりたかったんだ。昔から」

「……書けてたじゃない」

784:名無しNIPPER[saga]
2019/04/21(日) 22:05:29.69 ID:hfXGEpDLo

「あのね、せんぱい。せんぱいがどれだけ隠しても、わたしには全部わかるんだよ」

「……へえ？　たとえば？」

785:名無しNIPPER[saga]
2019/04/21(日) 22:05:56.80 ID:hfXGEpDLo

「だからね、せんぱい。そんなに自分を追い詰めなくても平気だよ」

「……」

786:名無しNIPPER[saga]
2019/04/21(日) 22:06:28.99 ID:hfXGEpDLo

　真中の肩に腕を回して、引き込むみたいに抱きしめた。

　泣きそうな自分を見られたくなかった。

787:名無しNIPPER[saga]
2019/04/21(日) 22:06:56.74 ID:hfXGEpDLo

◆

　真中を好きになることはない。

788:名無しNIPPER[saga]
2019/04/21(日) 22:07:44.78 ID:hfXGEpDLo

◇

　それでも、今、真中は俺のそばにいる。

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