4: ◆Ava4NvYPnY[saga sage]
2018/11/03(土) 16:37:17.59 ID:1iL2fWn50
会社の敷地内に建てられている寮の屋上から、往来のほうへ視線を放る。
ふ、と息をつき、私は目を細めた。
?「どうしたんですか、こんなところで黄昏れて」
背後で声が響く。
時子「チッ……見ていたのね」
後ろに立っていたのは、事務員の千川ちひろだった。スカウトされてここに来たときから、どういうわけか何かと声をかけてくる。
ちひろ「こんな遅くに考え事ですか。明日は大学の授業があるんですよね」
学生である以上、その期の講義計画はプロダクションに提出しなければならない。そんな性ではないと知っているために、あの男――この事務員の同僚は、余計に嬉々として講義登録票を回収していった。
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