38: ◆Ava4NvYPnY[saga sage]
2018/11/03(土) 19:45:45.55 ID:1iL2fWn50
突として、痛いほどの静寂が広がった。
時子「――は?」
息継ぎをするように漏れた声が、自分の鼓膜を刺す。
鏡越しに、彼女と目が合った。
いつもと同じ笑顔が鏡の向こう側から覗き込んでいる。
ちひろ「偽物は、アイドルにはなれませんから」
ちひろ「時子ちゃんは、偽物なんかじゃないですもんね」
時子「……アァン?」
凄んでいるはずが、うまく表情を作れない。
力を入れているはずの眉根にも、瞼にも、そして喉にも。
まるで、自分がばらばらにされているようだった。
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