10: ◆Ava4NvYPnY[saga]
2018/11/03(土) 16:49:42.95 ID:1iL2fWn50
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何もかもがいつも通りだった。
大学へ行き、講義を受け、取り巻きたちを適当にあしらい、大学を出てジムでメニューをこなして帰路につく。
いつもと違ったことと言えば、ジムで気の抜けた顔をした男に好意を告げられたことくらいだろうか。
あのジムでよく見かけたから、それなりの身持ちではあるのだろうが、彼の下卑た笑顔を見た瞬間、何かが偽物だと感じて黙殺した。
道行く人々は、楽しげに言葉を交わしながら思い思いの時間を過ごしている。
見た目だけのバッグ、スマートさを失った革靴、品のない光を跳ね返すアクセサリー。
騙そうという作り手の意思すら感じるそれらが、私は好かないのだ。
そんな中、一組の男女が目に入った――というよりは、一人の女性に。
時子「なにかしら、あのふざけた服は……」
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