3: ◆XUWJiU1Fxs
2018/10/31(水) 02:11:52.72 ID:rpP0yHwMo
「親父!!」
事務所に事情を説明して早上がりさせてもらった俺は奈緒と一緒に飛行機に飛び乗って地元へと帰ってきた。一瞬、一秒でも早く着いて欲しい。何時もなら心踊る空の旅も楽しんでる余裕なんてなく、落ち着けない俺を心配してかカミさんはずっと手を握ってくれていた。その暖かさが何よりも嬉しくて、つかの間の安らぎをくれたんだ。
空港からタクシーを捕まえて病院へと急ぐ。タクシー代はバカならないことになったけど、そんなことは瑣末なことだ。病院ではお静かにという注意を無視して病室へと駆け出す。勢いよくドアを開けて、そこに待っていたのは。
「そうなんだよねぇ、俺の倅芸能プロダクションで働いてて、しかもあの神谷奈緒と結婚してるんだよ……はい、それロン」
「……お義父様?」
「んおっ? おお、噂をすればなんとやらだな。紹介するよ、うちのバカ息子とその出来すぎた奥さんの奈緒ちゃん……」
「何やってんだよ、親父……」
見ればわかる。白い病院着を見にまとった同年代くらいのおっさん4人が病室で麻雀をしていることくらい、一目瞭然だ。
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