20: ◆U.8lOt6xMsuG[sage]
2018/10/19(金) 00:15:08.57 ID:TYKVB7XU0
春菜ちゃんが、「一番合うメガネを用意させて欲しい」と言ったのがきっかけ。ライブで一緒にメガネをかけて立ちたいと、彼女は望んでいた。私達は、いつからかそれが約束事のようになった
一緒のステージに立つ機会が中々無くて、約束を果たすのが最後のライブになっちゃったけど
縁取られた眼鏡越しの視界。裸眼よりもクリアで、コンタクトレンズより狭い、見慣れた世界。メガネをかけてステージに立つのは、久しぶりだ
「……次の曲が、私達の最後なんですね。最後にメガネで締める! って中々良い感じです」
「そうっスね、二人の最後をメガネで!」
「おぉ!」
彼女の言葉に乗る。一回きりの、約束履行。それを、ちゃんと果たそう。
「それと、これも」
「……これは?」
「今日来られなかった、三人の分の思いです。眼鏡と一緒につけてください」
青色の宝石を埋め込んだ、走る馬を象ったネックレスを手渡される。曰く「比奈ちゃんに内緒で選んだ」とのことで。
手の上のそれを、首にかける。メガネだと、真下を上手く見ることが出来ない。だから楽屋の大きな鏡で姿を確認することにした。
4つのレンズと、一つの青色。ここに、確かに私達がいた
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