2:名無しNIPPER
2018/09/01(土) 17:32:46.40 ID:udqjVv5B0
【逸見エリカの回想】
ずっと羨ましくて仕方がなかった。
西住家に次女として生まれ、一年生にして副隊長。
私の憧れの、西住まほ隊長の隣には常に彼女がいた。
優雅で知的な、他の追随を許さない姉と違い彼女はどんくさく、そしてどこか抜けている。
勉強は並以下、スポーツも出来るわけではなく料理も出来ない。
ただ唯一の取り柄は戦車道。
それでも私は奪えなかった。
彼女の、副隊長としての立場を。
何故彼女を越えられない?
何が私に足りていない?
西住隊長の妹でないから?
イライラした。
分からないがゆえにみほがとても憎かった。
悔しかった。
だがそれ以上に嫌いだったのは自分自身だった。
自分の行き場のないこの感情を、みほに重ね、憎む自分が何よりも嫌だった。
自己嫌悪。
今になって改めてもう一度振り替える。
もしかすると彼女を越えること拒み続けてきたのは私かもしれない。
答えは昔から、ずっと近くに、目の前にあった。
私が本当に憧れていたのは・・・
私がずっと側に居たかったのは、貴女なのかもしれない。
西住みほ。
私にとって貴女は何だったのだろう?
貴女にとっての私は・・・
一体何だったの?
10Res/7.27 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
書[5]
板[3] 1-[1] l20