橘ありす「夏、或いは幻」
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11: ◆foQczOBlAI[saga]
2018/08/29(水) 01:55:05.38 ID:tTZ11COq0
早速始まりました。ぽつりぽつりと単発の花火が打ちあがります。

うーん、綺麗といえば綺麗なのですがなんだか盛り上がりませんね。最初だからでしょうか。

なんというか、響くものがないというか。音、ですかね。

クーラーを消して窓を開けます。

ちょうど連続で花火が打ちあがったところです。J-POPでいうなら一番のサビの部分です。

さっきよりは迫力を増した花火が夜空を明るくしました。。

もっと、まだ、まだ足りない。もどかしい、窓枠が邪魔です。

遠くから会場の放送の声が聞こえてきます。その間は花火が打ちあがりません。J-POPでいうなら間奏ですね。

その隙に急いで準備します。いえ、持っていくものなど何もありません、この身一つで十分です。


「お母さん、外で見てくる」

「気をつけなさいよ」


お母さんがわかってましたという表情で私を見ていました。お見通しみたいですね、流石です。



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