5: ◆S20u6lUAEc[sage]
2018/08/22(水) 22:38:32.20 ID:wzCIz+Kt0
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羽石玲奈が突然なにかを提案するのは珍しいことではなかった。普段からそういうことをよくするのだ。
帰り道にガビチョウの声を聞けば湖畔に鳥を見に行きたがり、休日と暑い日が重なると滝に涼みに行きたがり、早朝に目が覚めれば海に釣りに行きたがった。
小さい頃は外遊びをしている最中に新しい遊び方を提案したりもしていた。今でも近所の子供たちの缶蹴りではオニ以外が鈴を持つことになっているし、だるまさんがころんだには増やしオニみたいなルールが加わっている。
その場で思いついた楽しいことを、近くにいる人を誘って一緒に楽しむ。たぶん昔から玲奈は遊ぶことが上手だったのだと思う。
今回もそれらと同じことだ。だいたいのことは彼女に付き合っていると楽しい。だから、こちらとしても断る理由は無かった。
賭け事だって言っていたけれど、勝った時にどうするか、負けた時にどうするかなんてなにひとつ決めずにその日は家に帰った。そんな所も彼女らしい。
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