19: ◆S20u6lUAEc[sage]
2018/10/31(水) 23:00:16.19 ID:hPPwOZMA0
◇
「それにしても園芸部って部室だけじゃなくて倉庫も持ってるんですね」
「まあ土の付いたものは部室に置いとけないからね。衛生的に」
それもそうか。……そうか? ビニール袋か何かに入れてしまえば済む問題な気がするけど。
「……あれ? だったらなんでアルバムが倉庫にあるんですか?」
用具と違ってこちらはほんとに倉庫に置いておく理由がない。なぜ部室ではないのだろう。
「なんでだろうね?」
「先輩も知らないんですか?」
「私が入ったときにはもうそういう風になってたから。先輩……まつり先輩は今の部室の内装が気に入ってるみたいだし、その前の部長はわざわざ決まりごとを変える人じゃなかったからね」
「そうなんですか」
部長さんはあの掃除途中みたいな感じの部室が好きなのだろうか。変わった人だ。自分はあまり落ち着ける気がしない。もちろん、まだ慣れていないからというのもあるだろうけど。
倉庫には特に変わったものは無かった。肥料類が積んであり、スコップ、シャベルなどの道具類は立て掛けてあった。棚の上には小皿に入れられているオナモミの種(去年育てたものから取れたのだろう)と、年度順に並べられたアルバム。
アルバムの中の植物は家庭菜園寄りのもの(ミニトマトとか)と、自分には雑草にしか見えないもの(確かに花は綺麗だったりはするのだが)の、大雑把に分けて二種類のようだ。
部室よりはとても園芸部らしい倉庫。
その日はアルバムを眺めているうちに下校時間になったので、そのまま帰った。
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