25:名無しNIPPER
2018/08/19(日) 14:17:00.51 ID:lrCZX+po0
それからしばらくして、保健の先生が戻って来て。
事情を説明したら、慌ててクロの家の人に電話をかけていた。
クロが何か処分とかを受けないか心配だったけど、今回みたいな事例の場合は、特にお咎めなく許してもらえるらしい。
私はほっ、と胸を撫でおろして、すやすやと呑気に眠っているクロをちらりと見てから、保健室を後にした。
教室に戻ると、ちょうど昼休みが終わったところのようで、あーちゃんや田村さん、真子ちゃんや加藤さんがこちらに歩いてきた。
「黒木は大丈夫だったのか、陽菜?」
「あ、うん。家の人が迎えに来てくれるみたい。お咎めもないみたいだよ」
「そっか、よかった……」
加藤さんと真子ちゃんがほっと胸を撫でおろしている。……やっぱりいい人たちだな。
私はこんなふうにはなれない。
だけど、私は私なりのやり方で、クロと関わってくからね。
「結構長く保健室に居たみたいだけど、何か話してたの?」
田村さんが問いかけてくる。
私は少し逡巡して、少し口元を緩めて答えた。
「んーん、ひみつ」
今日のクロの言葉は、私の胸の中だけにしまっておこう。
なんとなく、そう思った。
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