10:名無しNIPPER
2018/08/19(日) 01:00:16.32 ID:lrCZX+po0
移り気なクロにイラっとしながら、加藤さんの方を見る。こういう時目が怖い感じになってしまうのが悪いクセだ。
なんだか我儘な娘の代わりに謝ってる気分になりながら、加藤さんに頭を下げた。
「ごめんね? クロが変なこと言いだして。私が連れてくから……」
「ん? 別に私は抱っこして連れて行ってもいいよ?」
「へ?」
加藤さんはぽーっと自分を見ているクロを微笑ましそうに眺めながら言った。
「元はと言えば私が悪いし……それに黒木さん、可愛いんだもん。抱っこくらいしてあげるよ」
……なんというか。
加藤さんはクロのことを、娘でも見るような目で見ているんじゃないだろうか。
ここで加藤さんに任せておけば、万事問題なく進むんだろうけど、なんだかそれは癪に障る。
私はえへへと笑っているクロを引っ張って、無理やりに抱っこした。
「か、加藤さんの手を煩わせなくても大丈夫だよ! 私が連れてくから!」
……なんで私、こんなに意地張ってるんだろ。自分でもよくわからないまま、私はクロをお姫様抱っこして教室を出た。
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