102: ◆tHYtfyUBW.[sage saga]
2018/08/15(水) 16:23:03.93 ID:L0ciGIt40
(その後は、何も考えず着の身着のままベッドに寝転がり、目を瞑った)
(誰かがもうすぐいなくなってしまうと思うと、なんのやる気も起きなかった)
(聞こえてきた救急車の音は気にも留めなかった)
(そして次の日解った)
(ことりは自殺、絵里とにこは失踪)
(それを知った時は、叫ぶことさえ出来なかった)
(さらにお母様も病気で倒れた)
(唯一近くにいた穂乃果も家計を助けるために、スカウトされたアイドルになり、家に毎日は帰って来れなくなった)
(私はたった数日で、一人になった)
(学校でも、一人だった)
(毎日同じ時間に家を出て、誰とも話さず漂うように授業を受けて、家に帰って寝るだけ。その繰り返し)
(でも勉強はできた。持ち前の記憶力で)
(代わりに、最期に見た、ことりの寂しそうな笑顔と、絵里の満足そうな顔、そしてにこの真剣な表情が目に焼き付いて離れない)
(いつでも昨日のことのように思い出せて死にたくなる)
(反面、『夢』の外のことは忘れそうだった)
(今いる世界の人が死んだら元も子もないと思った)
(そんなことをしているうちに、月日が流れた)
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