9: ◆vOwUmN9Rng[saga]
2018/08/13(月) 23:01:12.53 ID:ppFvLiXj0
「なに? なんや?」
慌てて周囲を見回す。
10: ◆vOwUmN9Rng[saga]
2018/08/13(月) 23:02:14.10 ID:ppFvLiXj0
「はい、もしもし?」
白色の受話器を取って、1拍を置いてから応答する。
11: ◆vOwUmN9Rng[saga]
2018/08/13(月) 23:03:08.04 ID:ppFvLiXj0
「ちひろさん?」
『急にごめんなさいね。いま事務所に1人? プロデューサーさん、帰ってきてる?』
12: ◆vOwUmN9Rng[saga]
2018/08/13(月) 23:04:09.98 ID:ppFvLiXj0
『今日プロデューサーさんね、お昼には事務所に戻ってくるって聞いてたんだけれど。私、お昼頼むの忘れて外に出ちゃったのよ』
「あ、じゃああたしやるよ。任せて」
13: ◆vOwUmN9Rng[saga]
2018/08/13(月) 23:05:30.64 ID:ppFvLiXj0
回線が切れる音がする。
あたしも受話器を置いてから、ちひろさんの言葉を反芻する。
少しばかり考えてから、あたしはくるりと身体の向きを変えた。
14: ◆vOwUmN9Rng[saga]
2018/08/13(月) 23:06:02.42 ID:ppFvLiXj0
プロデューサーさんと、お昼かあ。
ちゃりんちゃりん、と指で回した鍵がご機嫌な音を立てる。
ふふ。今日のお昼ご飯は、このしゅーこちゃんに任せてもらいましょう。
15: ◆vOwUmN9Rng[saga]
2018/08/13(月) 23:07:11.27 ID:ppFvLiXj0
○
「ただいまー」
16: ◆vOwUmN9Rng[saga]
2018/08/13(月) 23:08:40.71 ID:ppFvLiXj0
そうかああー、とプロデューサーさんは天井に開いた送風口に向かって大きく口を開けている。
突然目の前に現れた熱源に負けまいと、冷房が吐き出す息も心なしか勢いを増しているよう。
17: ◆vOwUmN9Rng[saga]
2018/08/13(月) 23:11:14.74 ID:ppFvLiXj0
けれども今日は我慢、我慢。
プロデューサーさんの昼食は、しゅーこちゃんプロデュースなんですから。
18: ◆vOwUmN9Rng[saga]
2018/08/13(月) 23:12:05.36 ID:ppFvLiXj0
「今日はねえー」
机の上を指さす。
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