モバP「よっしゃ、暇だし精神病院でも行くか!」
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12: ◆V1gN/9sbLo
2018/08/13(月) 13:38:47.80 ID:HMtJrIR90
先生「ところで話は変わるんですが……この宇宙って、どんなカタチをしていると思いますか?」
P「宇宙、ですか?」
先生「はい。どんな答えでもいいです」
13: ◆V1gN/9sbLo
2018/08/13(月) 13:39:23.97 ID:HMtJrIR90
P「薔薇、ですか」
先生「宇宙は薔薇のカタチをしているんです。幾重にも層になって、花弁が重なっている。そうしたら、その薔薇は少女の元へ送り届けられる。ガラスの靴と一緒にね。バケツの馬車に乗って、塔のてっぺんを目指すんです」
P「ということは、薔薇は世界なんですか?」
14: ◆V1gN/9sbLo
2018/08/13(月) 13:40:09.60 ID:HMtJrIR90
P「でも、床には落第者が棲みついているでしょう? 天井には神かネズミが棲みついています。つまり、世界は薔薇で、虫と少女が棲みついているのです」
先生「ふむ。となると地球は朝露か何かでしょうか」
P「でしょうね。バケツの底に溜まった汚水みたいなものですよ」
15: ◆V1gN/9sbLo
2018/08/13(月) 13:40:38.31 ID:HMtJrIR90
ちひろ「Pさん!?」
P「おや、ちひろさんもですか」
待合室に戻ると、ちひろさんがいた。今日は緑色のジャケットは着ていないようである。暑いし仕方ないだろう。
16: ◆V1gN/9sbLo
2018/08/13(月) 13:41:04.93 ID:HMtJrIR90
ちひろ「ところで、私のジャケット知りませんか?」
P「さあ、知りませんね」
ちひろ「美優さんに聞いたら、Pさんが持って行ったと聞いたのですが」
17: ◆V1gN/9sbLo
2018/08/13(月) 13:41:30.50 ID:HMtJrIR90
P「そういえば、美優さんはどこへ?」
診察室は一部屋しかないはずである。廊下も一本しかないため、すれ違いになったとは考えにくい。
ちひろ「もう帰っちゃったみたいですよ」
18: ◆V1gN/9sbLo
2018/08/13(月) 13:41:58.41 ID:HMtJrIR90
ちひろ「というか、有給取ったのにこんなところに来ないでくださいよ」
P「こんなところって……」
酷い言い草である。もっと良い病院に行け、というツンデレだろうか。そうに違いない。
19: ◆V1gN/9sbLo
2018/08/13(月) 13:43:07.98 ID:HMtJrIR90
P「宇宙ってどんなカタチをしていると思います?」
ちひろ「はい? 宇宙ですか?」
P「宇宙はね、薔薇なんですよ」
20: ◆V1gN/9sbLo
2018/08/13(月) 13:43:36.06 ID:HMtJrIR90
ちひろ「――――P、さん?」
21: ◆V1gN/9sbLo
2018/08/13(月) 13:45:18.01 ID:HMtJrIR90
P「でも大丈夫なんです。きっと大丈夫。世界っていうのはこう、ミルフィーユみたいに重なって層を成しているんです。そしたら、ヘタの部分に栄養が集まるでしょう? パンの耳と同じです。あとは、そこだけを煮詰めて味を出せばいい。何も怖がることはないんです。扉だって空いてます。鍵も掛かってない。屋上だって空いてる。仕事も何もない。お菓子もトマトもある。バケツだってある。沢山水が入るヤツです。30ミリリットルくらいは入ると思います。酒を入れてもいいでしょう。ワインも良いと思います。バケツは偉大なんです。なんだって入れれる。夢も希望も絶望も失望も何もかもまとめてぶち込んじゃって、後から床下にでも埋めればいいんです。そうすれば落第者達はこぞって嬉しがり、中身を平らげるでしょう。ね、ほら、バケツは偉大なんだ。凄い。なんだって出来る。人を殺せる。バケツは人を殺せますよ。首を絞め殺せます。頭を殴っても撲殺できます。串だってへし折れる。団子のカスがついていてもお構いなしだ。簡単です。タクシーよりも楽に殺せる」
22: ◆V1gN/9sbLo
2018/08/13(月) 13:45:52.17 ID:HMtJrIR90
ちひろ「Pさん! しっかりしてください!」
P「しっかり? 俺はしっかりしてますよ?」
ちひろ「落ち着いて、私の名前を言ってください!」
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