【ガルパン】しほ「戦車道のセンスが無い娘二人」
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2: ◆kR9lpurGm.
2018/08/09(木) 22:06:16.03 ID:vx+TtmzF0
熊本、西住邸――
夕暮れ、無理を言って早い時間に帰宅した西住しほの気分は晴れやかなモノではなかった。
「お帰りなさいませ、夕食の準備、整っております」
3: ◆kR9lpurGm.[sage saga]
2018/08/09(木) 22:06:49.38 ID:vx+TtmzF0
片手で菊代の言葉を制止。言いたい事は分かっている、とそれぐらいの情報は嫌でもしほの耳に入ってくる。
居間に入れば西住流の者でいよう、出れば母でいよう。しほは強く心に言い聞かせ、娘二人の待つ居間の襖を開けた。
「お帰りなさい、お母様」
4: ◆kR9lpurGm.[sage saga]
2018/08/09(木) 22:08:54.64 ID:vx+TtmzF0
しほは明るくなった居間で娘二人の対面に正座した。同時に上の娘まほとみほは今一度居住まいを正し、しほと向かい合った。
「聞き及んでいると思いますが……本日行われた中学戦車道大会ですが、黒森峰は、ぁ……敗退しました」
5: ◆kR9lpurGm.[sage saga]
2018/08/09(木) 22:10:51.25 ID:vx+TtmzF0
「練度は中学生としてはかなり優秀、戦車も良く整備され戦術も戦車に合ったモノだったハズ」
「今日の敗戦は指揮官。……まほ、貴女に責任があるのよ」
6: ◆kR9lpurGm.[sage saga]
2018/08/09(木) 22:13:32.98 ID:vx+TtmzF0
小学校低学年の時、正式に西住流の門下生としてまほを児童向け道場に入れた。最初は当然ながら他の子達より上手で尊敬された。しほはそれで天狗にならぬよう、一言褒めたのちに娘を諫めた。
翌年、みほも道場に入り二人で一生懸命訓練に励んでいたのは知っている。
高学年になっても二人は頭二つ飛び抜けてはいたが、試合自体の成績は芳しくなかった。
7: ◆kR9lpurGm.[sage saga]
2018/08/09(木) 22:17:44.56 ID:vx+TtmzF0
「まほ、貴女が今年掲げたテーマは『初志貫徹』、私からは『短期決戦』……二つ、それがこの試合で守れた?」
「いいえ……出来ませんでした」
「中盤、叩き合いに負けた敵チームの後退を見て何故迅速な掃滅が出来なかったのか。……何か仕掛けてくるように見えた?」
8: ◆kR9lpurGm.[sage saga]
2018/08/09(木) 22:18:52.17 ID:vx+TtmzF0
(隊長向きではなかったのかしら、まほは)
西住流との深いつながりを持つ黒森峰女学院、西住の人間というだけで周囲に影響を与えてしまっていた。しほの与り知らぬところであれよあれよとまほの隊長就任が決まっていたのだ。
西住流の人間が居て隊長をやろうと考える人間が居るわけがない、今日の結果はなるべくしてなったのだ。
9:名無しNIPPER[sage]
2018/08/10(金) 01:50:22.64 ID:ODjmtxuPO
ほほう、これはどんな展開になるのか期待
10:名無しNIPPER[sage]
2018/08/10(金) 13:42:47.07 ID:9E0lwRZLO
期待したいけど何度もエタってる人だからなぁ
完結したら読みに来るぜ
でも期待してるよ
11: ◆kR9lpurGm.
2018/08/10(金) 17:56:59.12 ID:toB0NXrS0
「いい? 西住流では押す場面よ、あそこで時間を与えては駄目。思わぬ反撃があったとしても追撃隊の全滅には至らないし、多少の犠牲で大きな利が得られる場面であったわ」
「まほ、西住流は常に王道、王道とは定石よ。序盤の偵察と先制は定石通り出来ていたのに良い流れを自分から崩す事は無いわ」
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