【ガルパン】しほ「戦車道のセンスが無い娘二人」
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18:名無しNIPPER[sage]
2018/08/12(日) 03:54:32.54 ID:ERtBTObbO
文体好きやぞ!早くラストまで読みたい
19: ◆kR9lpurGm.
2018/08/12(日) 13:27:16.83 ID:P4DoKFs30
しほは立ち上がり居間から出る。気分は暗い、少し言い過ぎてしまったか? と眉間を抑える。
間違った事は言っていない、娘二人が至らないからだ。……だがそう育ててしまったのは紛れもなく自分なのだ。
昔から二人の事で周囲からチクチク言われているのも慣れている、夫の常夫もそういった誹りを受けているがどっしりと構えそれを表に出さないでいる。
20: ◆kR9lpurGm.
2018/08/12(日) 13:27:47.71 ID:P4DoKFs30
後方で襖が開く音、二人が出てきた音だ。
しほは踵を返し、廊下を出た二人に詰め寄った。
居間を出たら母でいよう。
21: ◆kR9lpurGm.
2018/08/12(日) 13:28:26.72 ID:P4DoKFs30
「今日の試合……狼狽えず、隊員たちを動揺させなかった。最後まで勝利を信じさせ全力を出させる……これは西住流の、いや戦車道で『勝てる』指揮官に必須な能力」
「私はガムシャラで、出来ていたのか……」
22: ◆kR9lpurGm.
2018/08/12(日) 16:41:37.66 ID:P4DoKFs30
グシャリと表情が歪み大粒の涙をこぼす娘の頭を優しく撫で、その様子を見ていた下の娘にも声をかけた。
「みほ、貴女の強みはその発想。格上の人間に一泡吹かせるだけの柔軟さがあるわ」
23: ◆kR9lpurGm.
2018/08/12(日) 16:42:50.39 ID:P4DoKFs30
「いただきますっ!」
常夫の声に続き三人の声が続く。仕事を終え帰った菊代が用意した夕飯を家族で食べる。
家族全員で食事が出来る、最近少なくなった機会。しほは晩酌をする常夫に付き合い、芋焼酎をコップに注いでいた。
24: ◆kR9lpurGm.
2018/08/12(日) 16:43:27.68 ID:P4DoKFs30
こんな言葉、西住流の家元として出してはいけない質問であった。
家の存続には戦車道を続けさせる必要がある。本人に有無を聞く必要もない。
「つらい?」
25: ◆kR9lpurGm.
2018/08/12(日) 16:43:59.29 ID:P4DoKFs30
「負けるのはとっても辛いけど、戦車を動かす喜びに比べたら……」
「やめられないよねぇ戦車道」
酒の勢いもあってか涙腺が緩む。隣にいる夫は涙を隠そうともせず、鼻をかんでいる。
26: ◆kR9lpurGm.
2018/08/12(日) 16:44:50.72 ID:P4DoKFs30
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――
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27: ◆kR9lpurGm.
2018/08/12(日) 16:45:32.28 ID:P4DoKFs30
なにか……なにか戦車道の技術的な事だけ、一つだけ伝えて終わらせよう…………。
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